メモ: 無限等比級数と同じ点を通る指数関数的減衰の積分値

Published: 2022/2/24


無限等比級数は、 i=0a0ri\sum_{i=0}^{\infty} a_0 r^i の形式で表される級数で、その値は高校でも習う通り、以下の数式で得ることができる。

i=0a0ri=11ra0\sum_{i=0}^{\infty} a_0 r^i = \frac{1}{1-r} a_0

無限等比級数は、例えば経済学などでも未来の効用を割り引いて計算したりするなどして、その応用範囲は広い。 ただ、経済学で用いる場合には、年単位で効用を単位化して計算していて、これはある種の近似であると考えられる。 であるならば、もしこれが連続して減衰する、つまり指数関数的減衰であったときに、これはどのような値として計算されるのか、がふと気になったので、それについてのメモ。 補足として、指数関数的減衰とは以下を参照。

整理

指数関数的減衰は、以下の数式で表される。

f(x)=Aeλxf(x) = A e^{-\lambda x}

上で与えた無限等比級数を、数列の添字 ii を関数の xx として与えるとする。 上記の減衰の式に当てはめて考えると、 i=0i=0 により、 A=a0A=a_0 を得て、また、 i=1i=1 により、

a0eλ=a0reλ=rλ=lnrλ=lnrλ=lnr1\begin{align*} a_0 e^{-\lambda} &= a_0r \\ e^{-\lambda} &= r \\ -\lambda &= \ln{r} \\ \lambda &= -\ln{r} \\ \lambda &= \ln{r^{-1}} \end{align*}

今、無限等比級数は、連続化すれば積分を計算しているので、

0a0eλx=[a01λeλx]0=a0λ=1lnr1a0\begin{align*} \int_{0}^{\infty} a_0 e^{-\lambda x} &= \left[a_0 \frac{1}{-\lambda}e^{-\lambda x} \right]_0^{\infty} \\ &= \frac{a_0}{\lambda} \\ &= \frac{1}{\ln{r^{-1}}} a_0 \end{align*}

Tags: 数学

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