ラグランジュ未定乗数法についてのメモ

Published: 2022/7/3


ラグランジュ未定乗数法とは

多変数関数 f(x)f(\bm{x}) が、 gi(x)=0g_i(\bm{x}) = 0 (i=1,2,...,mi = 1, 2, ..., m)の制約の下、その極値を取る点はどこか、を求める手法。

L(x,λ)=f(x)λigi(x)L(\bm{x}, \bm{\lambda}) \coloncolonequals f(\bm{x}) - \sum{\lambda_ig_i(\bm{x})}

と定義した L(x,λ)L(\bm{x}, \bm{\lambda}) に対して、以下を制約式を解く。

Lxi=0(i=1,2,...n)Lλi=0(i=1,2,...m)\begin{align*} \frac{\partial L}{\partial x_i} = 0 & & (i =& 1,2,... n) \\ \frac{\partial L}{\partial \lambda_i} = 0 & & (i =& 1,2,... m) \\ \end{align*}

2変数, 1制約であった場合の分かりやすい解説は次。

多変数, 多制約の場合の説明

https://fd.kuaero.kyoto-u.ac.jp/ja/node/28

上記のページにある "Lagrange1.pdf" が分かりやすい。 これを参考に、陰関数定理を用いない、ざっくりとした説明は以下。


まず解くべき LL の制約のうち、 λ\bm{\lambda} についてのものは、元々の条件である gi(x)=0g_i(\bm{x}) = 0 と同値。 また、 x\bm{x} についてのものは、以下と同値。

f(x)=i=1mλigi(x)\nabla f(\bm{x}) = \sum_{i=1}^{m}{\lambda_i \nabla g_i(\bm{x})}

ffx0\bm{x}_0 にて各 gig_i の制約の下に極値となるためには、 gi\nabla g_i を法線ベクトルとする超平面を Hi(x0)H_i(\bm{x}_0) として、 Hi(x0)\cap H_i(\bm{x_0}) の下で x0\bm{x}_0 から微小に移動した時に、その移動方向と f(x0)\nabla f(\bm{x_0}) が直交する必要がある。 gi(x0)\nabla g_i(\bm{x_0}) の法線ベクトルたちの張るベクトル空間こそが、 Hi(x0)\cap H_i(\bm{x_0}) の直交補空間であるので、上記の式を満たすような λ\bm{\lambda} が存在し、かつ gi(x)=0g_i(\bm{x}) = 0 がすべての ii で成立することで、 ff が制約上の極値を持つ。


また、 gi(x)\nabla g_i(\bm{x}) が線形独立であれば、陰関数定理を用いて、厳密に証明ができる模様。


Tags: 数学

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